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「生誕300年記念 若冲展」 [アート]

「生誕300年記念 若冲展」
2016年4月22日(金)~5月24日(火)
東京都美術館

不安的中とは、このことよ。
会期が短いうえ、これから繁忙期に入るので
時間が取れる日が読めず、金曜日の夜間開館をねらったら大行列だ。
入館まで雨の中を1時間強並び、
中に入れば大混雑で作品まで近づくこともままならない。
10年以上前に三の丸尚蔵館で展示されたときは無料だったのに、
いつの間にこんなに人気が出たのだろう。
NHKの大々的なプロモーションも影響したのだろうが、
あまりにも混みすぎだ。
そんなわけで、あまりゆっくり鑑賞できなかったが、
それでも観に行ってよかった。
見逃したら一生後悔するところだった。

会場の中は、まさに若冲ワンダーランド。
想像していたよりも大きな作品が多く、
ずらりと並ぶ展示に圧倒される。
どの作品を見ても、伸びやかで緻密で、
創作に対するあふれんばかりの情熱がうかがえる。

鳥や水生動物、植物、虫などあらゆる生き物が
鮮やかに描かれ、その躍動感と表情豊かな描写に
目を奪われまくりだ。
「かわいい!」という声がこれほど聞かれる美術展も珍しいだろう。
なかでも《竹虎図》に描かれた
虎のまんまるお目目のチャーミングさったらなかった。
また、若冲が想像たくましく描いた“象”の奇怪ながらも
愛らしい姿に思わず釘付けになる。

今回もっとも注目されている作品群は
京都の相国寺に所蔵されている釈迦三尊像だ。
すっとぼけたような表情が人間味あふれていて、
かつて見た釈迦三尊像とはまったく違って面白すぎる!
鮮やかな色彩も相まって、親しみの持てる作品に仕上がっている。
聖なる人物というよりも、絶大なる信頼感を抱く隣人のようでもある。

全体を通して印象的だったのは、
鳥の羽や花々の描写に用いられた“白”だ。
一色のように見えて、その陰影は無数にも及ぶ。
少し離れた位置から見れば、立体感を帯びて迫ってくるのだ。
一色でこれほどの表現を可能にする技とは……若冲おそるべし。

会期が約1カ月しかないというのはずいぶんひどい。
これでは、よほど時間がある人しかじっくり観られないではないか。

本ブログ内で何度も書いてきたが、
日本では芸術に触れる機会がまだまだ限られている。
文化を育む土壌が欧米と異なりすぎるのだ。
文化的な財産を私たちが目にする機会はもっと多くてもいいはずだ。

これから行く予定の方、混雑状況をチェックしてください。
できれば時間のたっぷりあるときに、
細部までじ~~っくり鑑賞していただきたいものです。

若冲ワンダフルワールド (とんぼの本)

若冲ワンダフルワールド (とんぼの本)

  • 作者: 辻 惟雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/28
  • メディア: 単行本



<「若冲展」オフィシャルサイト>
http://jakuchu2016.jp/

遺作となってしまったアルバムと、その前作 [音楽]

「HITnRUN phase one」
「HITnRUN phase two」
先ごろ亡くなったプリンスの新譜とその一作前のアルバム。

“phase one”が出たときに、1があるということは
2もあるということだろうと確信して、心待ちにしていた。
そして、“phase two”リリースを目前にした
4月21日、殿下のとつぜんの訃報がとびこんできた。
朝起きてニュースをチェックして、思わず絶句した。
ペイズリー・パークの奥底に眠っているのだろう
相当な数の未発表楽曲を聴く機会はもはやないのだろうか。
くー、悔しい。

さて、遺作となってしまった「HITnRUN phase two」。
全体的に、ファンクというよりロック色が強く、
なんともキャッチーで聴きやすい。
1曲目の「BALTIMORE」からラストの「BIG CITY」まで
美しいメロディーの楽曲がバランスよく配され、
落ち着いていて良質なバンドサウンドを楽しめる。
「HITnRUN phase one」と比べると、少々地味な印象を受ける。
どちらかといえばバリエーション豊かで華やかな
“phase one”のほうが好みだけれど、
“phase two”も悪くない。
まだ聴きこんでいないせいもあるかもしれない。
もしかしたら、聴けば聴くほどなじんでくるのかもしれない。


最初にプリンスを知ったころは、なんじゃこりゃと思っていたけれど
いつの間にか好きになって、
何度も繰り返し聴くうちにどんどん好きになって、
新作が出るたびに変化していく作風に、ずっと魅了され続けた。

音楽も本も美術もそうだけれど、
作品ごと、時代ごとに変わっていく人が私は好きだ。
チャレンジングかつポジティブで、
そうした作品にふれるごとにエネルギーがチャージされる。

ああ、また惜しい人をなくしてしまった。
David Bowieの喪失をまだひきずっているというのに。
リリースのたびに追いかける人を失うと、本当に寂しいものです。


Hitnrun Phase One

Hitnrun Phase One

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Npg
  • 発売日: 2015/09/14
  • メディア: CD



Hitnrun Phase Two

Hitnrun Phase Two

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Npg
  • 発売日: 2016/04/29
  • メディア: CD